うちのこ(猫)が暴れて診察が出来ません。

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うちのこ(猫)が暴れて診察が出来ません。診察を受けるにはどうしたら良いですか?

 

最も大切なことは、診察室では、飼主さんが先ずは “落ち着く” こと

 

犬猫の気持ちになってみてください。

家でくつろいで居たら、いきなりキャリーに入れられ、どこに連れていかれると思ったら、そこは動物病院。

何やら、つんとする消毒の臭いに犬や猫のなき声。名前が呼ばれ、いきなり部屋に入ったら、台の上にのせられ、自分より何倍も大きな顔が上からせまりキャリーバックから出される。

 

もしご自身だったらどうですか?

 

始めて行く場所で、相手が知らない人だったら?

私だったら、心拍数が上がり逃げ出します。

 

何回も行っている動物病院でも、病院へ行くときは体調不良か予防注射。

犬猫にとっては、「ここに来る」=「痛い注射をされる場所」なのです。決して好きな場所ではないのです。

 

絶対服従か? 萎縮するか? 攻撃的になるか? 逃げ出すか?

犬猫の性格により異なりますが、特に猫ちゃんの場合は、パニックになると診察どころか、手を出す事すら難しくなります。

 

私も30年以上診療に携わっていますが、咬まれる、引っかかれるは日常茶飯事。

今も左親指を突然咬まれ4日たっても指の腫れがひかず、自由に動かない状況です。今までに顔を2回咬まれ、皮膚縫合もしています

 

長い経験の中から、ある程度は犬猫の性格判断は出来る様になりましたが、それでも「ドリトル先生」の様にはなりません。

 

飼主様にも色々なタイプの方がいらっしゃいます。

温和な方、陽気な方、心配性な方、怒りっぽい方、一方的な方、言葉少ない方 等々、、。

 

正直、温和な方が連れてこられる犬猫は、落ち着いている犬猫が多いです。

「先生 こんにちは!」と笑顔で診察室に入る方の愛犬は、フレンドリーな犬が多いと感じます。

しかし、皆が皆そうではありまあせん。

人に性格がある様に、犬猫にも性格があります。「温和な飼い主様の犬猫」=「皆、温和」とも言い切れないところです。

 

非協力的な犬猫や、切れてしまう猫ちゃんに対して、的確な診断治療を進めるためには、

 

実は、飼主様の心がけ一つで決まります。

 

犬猫にとって動物病院はあまり好きではない場所。その場で、唯一自分の見方で頼りになるのは飼主さんなのです。

 

その飼主さんが慌ててパニックになれば、一緒に来た愛犬・愛猫もパニックになります。

 

愛犬愛猫がパニックになったら、どう対応するか?

 

     先ずはあなた自身が「深呼吸」をしてください。そして心を落ち着かせてください。

 

     次に、愛猫をいきなり捕まえようとはせず、先ずは目をみて、「大丈夫だよ」と声をかけてあげてください。

 

その行動で愛犬・愛猫は平常に戻るか、少しでも落ち着かせることが可能です。

 

     猫ちゃんや小型犬の場合は、その後、ゆっくりとゲージを前に置き、ゲージに入る様に促したり、名前を呼び抱きかかえてあげてください。

 

犬猫が落ち着かない状況やパニックになっている状況下で、手を出す事は非常に危険です。猫に咬まれたり、ひっかかれ飼主様がパニックになると、さらに拍車がかかり、猫は壁をも這い上がる位の勢いで駆け回ります。

 

では、愛犬・愛猫がパニックにならない様にするには、どうしたら良いの?

 

それは、診察室に入った時、その瞬間から決まります。

 

飼主様の心情で愛猫や愛犬の行動は大きく変わるのです。

診察室に入ってから、「あれ?大丈夫かな?」と獣医師や動物看護士に不安を感じた事ありませんか?

その「不安」や「動揺」が、愛犬や愛猫の行動に直結します。

 

愛犬愛猫は、すぐさまその不安や動揺を感じ取り、問題行動へと発展するのです。飼主様の心の乱れや微妙な不安な態度や行動を感じ取っているのです。

 

私たちは、その不安や動揺を感じさせない様、日々努力をしていますが、私たちも所詮は人間です。生まれながらの容姿、そして時には身を守るために感情的に対応をとってしまうこともあります。人間が出来ていないと言われればそれまでですが、これは我々の業界、動物病院で働く人にとっては、一生のテーマだと思います。

 

飼主様にお願いしたい事は、診察室に入ったら、ご自身も「まな板の鯉」になってください。不安は多かれ少なかれあると思いますが、診察室内では開き直ってみてください。

「ちょっと違うな?」と感じても、一度深呼吸をして、動物病院スタッフに全てを委ねてみてください。

 

もし不安があれば、診療が終わった段階で、伝えたい事があれば、その時に吐き出してください。疑問や不安は絶対に持ち帰らないことです。持ち帰ったとしても、必ずもう一度来院して疑問を無くすことです。電話やメールでは外来患者が優先のため、伝わらないことが多い気がします。

 

人と人でもそんな数分でわかり合えることなど不可能です。ましてや聞いた事もない医学用語を交えた内容、さらにご自身ではなく、言葉話せぬ動物となればもっと不可能なのです。

 

当院では転院されてこられる飼主様も少なくはないですが、転医をされてこられる方の中には、一生懸命なのに、もったいないなあと感じることが多々あります。

 

一度だけ診察を受けて、もうあの病院へは行くのはやめたと言う方です。そうは決して思わないでください。

是非、もう一度行ってみてください。

 

それでもやっぱり不安や疑問を抱くのであれば、それは転院をするべきです。

人間同様、どうしても「合う・合わない」はあるのです。

 

非協力的な犬猫の診察の受け方から、不安からの転院と話が少々スライドしましたが、それが愛犬や愛猫、そして皆さまにとって、時間やお金の無駄を省き、不安を取り除くことが出来て、皆が良い方向に進むと私は思います。

 

また、猫ちゃんが落ち着いて診察を受けるためのグッズの一つとして、猫袋があります。

 

これはチャック式の網目の袋です。猫ちゃんはこれに入る事で、顔を隠すことが出来るので安心します。また飼主様や私たちも、“ねこパンチ”を受けないですみます。

またキャリーケースからの出し入れがスムーズになります。インターネットで「猫袋」と検索すれば色々なタイプがありますが、代用品として、ちょっと大きめな「洗濯ネット」でも十分対応できます。100均で販売している製品でも十分です。災害の時の移動などにも使えますので一つ携帯すると便利ですのでお勧めです。     

         犬猫が大好きでこの仕事を選んだのですが、犬猫から嫌われてしまう獣医師より

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