殺鼠剤中毒 と診断された(ネズミ捕りの誤食)

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殺鼠剤中毒 と診断された(ネズミ捕りの誤食)

概 略

殺鼠剤の誤食や誤飲で起こる。そのほとんどが抗凝固剤を成分としているため、血液の凝固異常が起こり、身体のあらゆる場所で出血傾向を起こし、軽症例から重症まで様々。重症例の場合は、重度の貧血、低血流ショック、肺出血、DICを併発すると死亡する。誤食後速やかな処置と特異的拮抗薬ビタミンKの投与、輸液・支持療法が必要。凝固異常を起こす量は成分の違いや摂取回数で異なるが、半減期が15時間から5-15日と非常に長いため誤食後、最低2週間の治療、輸液・支持療法と凝固系のモニターリングが必要となる。

 

アドバイス

・殺鼠剤の直接の誤食と殺鼠剤で中毒死したネズミを食べてしまった場合でも起こる

・凝固異常が発現するまでの時間が、数時間から15日間と非常に長い

・誤食60分以内であれば催吐処置、胃洗浄を行う

・誤食60分を過ぎた場合は、活性炭、ビタミンK投与、支持療法・輸液、下剤の投与

・凝固異常発現の半減期が成分により異なるため、殺鼠剤の製品名や成分表がわかるものを持参する

 と非常に良い

・長期間の凝固系モニターリングと治療・支持療法、経過観察が必要となる

・重症例に対しては、ICU管理下で輸血や新鮮血漿の投与が必要となる

 

主な症状

 軽度・初期症状

□元気消失

□挙動不審

□食欲減退

出血傾向発現で

□歯肉出血・皮下出血

□肺出血・消化管内出血・胸腔出血

 □脳内出血で神経症状

 □心内膜出血でタンポナーゼ

 重症例

 □出血性ショック・DIC

診断・検査

必要な検査

□血液検査

□血液凝固系検査 PT APTT

□尿検査

□レントゲン検査

□超音波検査

追加・必要な場合に行う検査

□継続的な凝固系検査(治療判定のため)

 

行っている治療

 □催吐処置(誤食から60分以内)

 □輸液・支持療法

 □特異的拮抗薬ビタミンKの投与

 □活性炭投与

 □下剤投与

 既に中毒症状が発現し重度の貧血や低血流ショックの場合

 □輸血

 □新鮮凍結血漿

 □胸腔内出血の場合は、胸腔穿刺

 □その他の治療

 □対症療法・QOL維持

 持続治療 

 □ビタミンK内服  漸減しながら経口で4-6週間投与

 

推奨する定期検査

効果判定検査

 □ビタミンK投与後3時間後  6-12時間ごとにPT APTTモニタリングチェック

 □        4-6週間後  PT APTT凝固系の最終測定

 

予後

出血の部位程度、合併症の有無で異なる。軽症例治療に対する反応が良い場合は予後良好。

ショック、肺出血、脳出血、DICの合併症では死亡