専門医の治療を受け、結果が伴わない場合の最終章

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専門医の治療を受け、結果が伴わない場合の最終章

 

専門獣医による獣医医療や高度獣医医療を受け、治る動物は増えました。

しかしその一方で、治療が良い方向に向かわなかった患者(犬猫)も増えています。全てが良い方向に進むものでもない。それが医療であり獣医医療です。

 

専門医を受診し、最先端や高度医療を受けた場合、結果が出なかった場合の事も考える必要があります。

 

治療法について伝える側、特に専門医は、結果が出ない場合についても説明をしますが、治療については前向きに考えてもらうため、どうしても成功例を強調し話しをすすめます。

 

飼主様側も、治療に対して光が見えたと判断し、前に進められることに喜び、結果が出なかった場合についての説明は、聞いてはいるが、そこまで深くは考えず、あまり理解していない事が多い気がします。

 

人生の中で、そんなに多く経験することではないことなので、その様な状況下で、「全てを理解しろ」と言う方が無理な話しだと思います。

もちろん理解していても、受け入れたくないと言う拒絶反応が出るのかもしれません。

 

現在の獣医医療はここ数年の間で、人医療に近づけと進んできました。技術の進歩はもちろん良い事ですが、人医療と獣医医療は別と考えなければなりません。

技術面は進歩しても、倫理面において、獣医医療を提供する側も受ける側にも、本来の人と動物との関係をもう一度確認する時代に来ていると思います。

 

治療が良い方向にすすまなかった場合・・・

十分に手を尽くした、十分に出来る事をしてあげたと判断する飼い主様もいますが、その反面、結果が伴わないことに落胆し、選択した事を後悔し、自分自身を責める方もいます。

また怒りの矛先を治療にあたった獣医師、動物病院に向ける方もいます。最近では、SNSを通じて怒りの矛先を不特性多数に発信する方もいます。

患者(動物)も、中途半端な状態で最期を迎えるケースも少なくありません。

 

最先端の技術、治療の裏側には、中途半端な状態で生命の質を保てず死を迎える動物、途方に暮れる飼主、怒りをぶつける飼主が増えた事も事実です。

そのくすぶった状態は、誰のためにも決して良い状況ではありません。

 

専門的な治療を提供する側は、新たな患者が次々と来院し、その対応で日々戦場となります。

救える命を優先するため、治療に反応しなかつた患者(犬猫)は、治療の対象から外れます。

 

良く「病気を見て患者をみていない」と言う言い方がありますが、極端な言い方かもしれませんが、専門医の立場で治療にあたる臨床獣医師側にとっては不本意で、真面目な獣医師であればある程、日々葛藤しながら診療にあたっています。

助からない、結果が伴わない患者(動物)より、助かる命を一頭でも多く助けたいと思う事も正当であり、専門医にとっては、成功例(症例数)を増やす事は、獣医医療の進歩、発展につながることも事実なのです。

 

人医療の現場では、治療に反応しなかった場合の受け皿である(ホスピスを中心とした医療施設等)があり、生命の質を重視したホスピス的な治療を受けることが出来ます。

しかし獣医医療の場合は、その受け皿がまだ確立されてはいません。結果、獣医医療難民(飼主も患者である動物も行き場を失う)状態が増えていると感じています。

 

命は一つ、それは動物でも人間でも同じです。人が一個人として自分らしく最期を迎えたいと考える様に、動物も動物らしく、最期を迎える事が出来れば良いと私たちは考えます。

 

結果が出なかったことに落胆するのではなく、病態や病状、全てを先ずは受入れることです。今まで頑張ってきたのです。今までやった事について議論するのではなく、今、この時を大切にしてください。諦めるのではなく頑張り過ぎず、もう少しだけ頑張ってあげてください。

飼主様が出来る範囲内で、一日一日を大切にして、愛犬や愛猫のために、笑顔で過ごしてもらいたいのです。

愛犬、愛猫と共に過ごしてきた事に感謝し、心から「ありがとう」と言えるその日を迎えられることを願って!

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